倉庫内でのフォークリフト作業による事故の事例。
フォークリフトの運転手が、コンテナに積まれた荷物を運搬しようとしたところ、最上段の荷物が少しずれていため、付近にいた作業員に荷物のずれを直してもらうように依頼しました。ところが、荷物のずれが直されると運転手は、合図もかけずにフォークリフトのツメをコンテナに入れようとしてフォークリフトを前進させてしまいました。当該作業員は咄嗟に避けようとしましたが、右足の親指をフォークリフトの前輪で踏まれてしまいました。この結果、親指の爪が割れるケガを負い、休業災害となりました。
この事故の最大の原因は、運転手がフォークリフトを前進させる前に「作業員に対して掛け声をかける」などの合図・確認を怠ったことにあると考えられます。おそらく、目視で「前進しても踏んだり、衝突したりすることはないだろう」と推測したのだろうと考えられます。
もし、作業員が避けるのが遅れていたら、もっと重大な事故になった可能性もあります。この事故は、「複数人で危険作業をする際には、いかに合図や確認が重要であるか」や「フォークリフト作業では様々な事故の可能性を想定し、意識する必要があること」などを示唆しており、教訓とするべき事例と考えます。
