労働安全衛生法などによって、事業者には様々な健康診断の実施が義務付けられています。なかでも一般健康診断は、最も多く行われています。
従来は結核など疾病の発見がその主な目的でしたが、現在では健康状態を適切に把握し、その状態により必要な措置を行うことで疾病の予防を行うことが重要な目的になってきました。殊に、労災認定されやすい脳・心臓疾患の発症につながる生活習慣病の早期発見や予防が重要です。
生活習慣病とは、食事・運動・休養・喫煙・飲酒などの生活習慣が、その発症や進行に関与する病気のことを指します。高血圧、糖尿病、脂質異常症などがその代表です。私生活上の生活習慣だけでなく、過重な業務負荷もその進行に影響を及ぼします。作業関連疾患としての側面もあるのです。
これらの健康上の問題がある社員に対しては、時間外労働の制限や業務負荷の軽減など就業上の措置を行い、労災を予防しなくてはなりません。適切な保健指導も必要です。