作業手順書やマニュアル

工場の業務などには作業手順書やマニュアルなどが策定されていることが多いと思います。これは、作業効率向上や品質管理などが目的であるとともに、安全衛生を確保することも重要な目的であることが多いと考えられます。このため、この作業手順書を遵守することはとても重要です。実際、これを守らないことによって起きる労働災害が多くみられます。
突発的なトラブルなどに落ち着いて対処するためにも、平素から手順書をよく確認・共有してシミュレーションしておくことも重要です。
手順書とその運用は、安全衛生を確保するうえで一つの重要なソフトウェアといえます。

意外にも、この手順書違反をするのはベテラン職員の方が多いようです。経験の浅い職員は、まだ慣れていないので手順書をよく守ろうとするのに対し、ベテランは経験と慣れからくる自分流をついやってしまう傾向があるようです。

その一方で、日々の産業活動の中でベテラン職員による「適度な調整」「合理的な調整」が現場の活動を支えている側面もあります。そして、円滑な活動に重要な役割を果てしている場合も多々あります。これは、必ずしも作業手順書やマニュアルなどに落とし込みきれない場合もあります。

作業手順書やマニュアルは、一般的知見や経験などに基づいて合理的な理由から策定されているものです。しかし、「かえってやりづらい」「こうした方がよい」など改善した方がよい場合もあります。そのような場合は、きちんと提案や協議をしてコンセンサスを得て改定することや共有することが重要です。また、そうしたことを提案しやすい雰囲気づくりも大切です。
こうすることで、硬直したマニュアル至上主義に陥ることを防ぎ、柔軟な対応のできる職場環境を形成できると考えられます。