金属製品加工中の手持ち式グラインダーによるケガの事例。
グラインダーを右手に持って製品を左手で押さえてバリ取り研磨をしていた際、グラインダーを当てる角度を変えた拍子にグラインダーが跳ねて左人差し指の付け根に回転中の砥石が当たって被災しました。厚手の皮手袋をしていたにもかかわらず、骨にまで達するほどのケガで2針の縫合を要しました。
グラインダーを使用する際には、手袋着用の是非が議論されます。
労働安全衛生規則の第百十一条には、
- 事業者は、ボール盤、面取り盤等の回転する刃物に作業中の労働者の手が巻き込まれるおそれのあるときは、当該労働者に手袋を使用させてはならない。
- 労働者は、前項の場合において、手袋の使用を禁止されたときは、これを使用してはならない。
とあるため、手袋の着用を禁止(素手で作業)している場合もあるようです。しかし、今回のような事例を見るとケガの重症化を防ぐためには手袋を着用した方がよい場合もあると考えられます。もちろん、すべりやすく巻き込まれやすい布製の軍手は厳禁です。しかし、すべりにくく把持しやすい、巻き込まれにくいなどの特徴を持った革製手袋やゴム製の作業用手袋は、必要に応じて着用した方がよいのではないかと思います。
その他、研磨くずの飛散に備えて保護メガネを着用することも忘れてはいけません。ゴム製の前掛け・前垂れの着用も上下半身の保護に役立つと思われます。使用前の回転砥石の点検なども忘れないようにしなくてはなりません。